旅情電波発信局

ホラーゲームや映画やその他諸々の好きな事を書き綴っていくブログです。たぶんゲームの話題多め。

ぜんためレポ! 君は岐阜のゲームイベント「ぜんため」を知っているか

先日の8月3日、ぜんためというゲームイベントに行ってまいりました

zentame.com

ぜんため、というのは全国エンタメまつりの略称で、岐阜で開催されているゲームイベント。
今回が3回目の開催となるぜんために行ってきたのでそのレポ記事です。

 

岐阜のゲームイベント!? 

  ・・・・・・と、初めに断わっておきたいのですが、ゲームイベントのレポ記事にもかかわらず
ゲームのことはほとんど書きません。
いやね、出展されてたゲームは面白かったですよ?

でもそこら辺の記事や特集はゲームメディアが特集してますし、BitSummitと共通しているタイトルもあり、改めて書く必要性が薄いと感じたからです。
 ↓ちなみに今年のBitSummit記事はこちら

denji-ch.hatenablog.com

 

 ぜんためで出展されていたゲームの内容やインタビューを読むなら、以下の記事を読んでいただけると良いと思います。どれも良い記事なので。

www.famitsu.com

dengekionline.com

dengekionline.com

dengekionline.com

dengekionline.com

 

 で、自分はゲームのことをほっぽらかして何を書きたいかというと、
会場を取り巻く雰囲気の話です。

わざわざそこを語りたくなるぐらいに、ぜんためは本当に雰囲気が素晴らしかった! 

 

 自分は今回ぜんため初参戦なのですが、イベント概要を聞いた時にこう思いました。

えぇ!? 岐阜でゲームイベント!? 岐阜で!?(超失礼)

 正直な所、ゲームイベントと言えば東京ゲームショウ、他には大阪や京都にチラッとあるくらいで、岐阜にゲームのイメージは無い人がほとんどだと思います。自分もそうでした。

しかし、だからこそ、岐阜のゲームイベントって一体何なんだと、興味を持って行ってみたわけです。

いや、すごかった。

 まずね、商店街のど真ん中にゲームの試遊ブースがドカドカ置いてあるんです。
アーケードの下とはいえ、真夏の炎天下にですよ?

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ぜんための客だけでなく、普通に商店街で買い物をしているお客さんとか、地元のおっちゃんおばちゃんも混じった人の流れに揉まれながら、汗だくでゲーム遊ぶイベントなんですよ。

だから、なんかゲームイベントに来てるっていうよりは、地域の商店街のお祭りに来てるって空気です。
第一、ぜんため会場の商店街に入った瞬間の光景がこれ↓で、「本当に場所ここでいいの?」って不安になったほど。

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それぐらい地域色が出ているというか、生活の中にゲームが浸透している感じというか、「実はこのお祭りは1980年代から岐阜でひっそりと続いてきたお祭りなんですよ~」って言われたら信じそうになるくらい。
 地域密着型のゲームイベント、という表現がもっともふさわしいと思われます。

任天堂SONYセガといった大手企業が出展してるにも関わらず、地元商店街のお祭り感が漂ってるイベントってすごくないですか?

 

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ぜんためのステージも商店街のなんてことない場所にポンと作られたもので、ステージイベントの傍らを一般のお客さんや、搬入のトラックがガンガン通ります。
トークショーやってる真裏でトラックが
「バックします ピーッ ピーッ バックします……」
って音出しながら通り過ぎるイベント他にある!?

こういうところ含めて、非常に牧歌的な空気が漂うステージになっているのですが、ステージゲストは普通にそれなりに豪華です。

 

出展してるゲームや、開催されているイベント自体はちゃんとゲームイベントしてるんですよ。
きちんとゲームイベントとして立派に運営されているのはビシビシ伝わってきます。

でも商店街の空気がゲームのパワーに勝ってるんですよ!


ぜんため会場の柳ケ瀬商店街は昭和レトロの香りが漂う場所で、最新ゲーム機が多少並んだところでそのパワーを覆せないんですよね。

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ぜんため会場から一本外れた光景がこれ。レトロ感溢れる


濃厚な昭和レトロの気配の中、アーケードのど真ん中にPS4やSwitchが設置され、岐阜の厳しい炎天下の下でゲームを遊び倒すイベント・・・・・・
どうです、聞いてるだけでクラクラするでしょ?

 

 あと、ぜんため周辺のお店もここぞとばかりにぜんためコラボメニューを出したり出さなかったりしてるんですが、その統一の取れてなさみたいなのも、なんか良いんですよね。

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コーヒー牛乳美味しかったです。

こういうゆる~~~~~~~い空気がなんとも言えず心地よく、ゲーム遊ぶのも良いけど商店街も見て回りたいという気持ちにさせられるイベントでした。 

 

痛車展示のコーナーの異世界

 ぜんためには痛車展示コーナーというのがありまして。

それが昼間の歓楽街のど真ん中なんですよ。

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まだ昼間でシャッターが下りてるキャバクラ、ホストクラブ、無料案内所の前で、痛車が鎮座してる光景はまさに異世界。 

今年はインディーズゲームの展示も同じエリアにあったようなのですが、自分が行った時にはブースが撤収した後でした。残念。
無料案内所の前でゲームを遊ぶ貴重な経験がしたかった!

 さらに痛車展示コーナーを抜け、商店街を出たすぐ先には、成人映画館とストリップ劇場があります。

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痛車展示コーナーはぜんための中心からはちょっと離れたところにあるため、人通りもまばらなんですが、それも相俟ってなんとも言えない独特の空気が醸成されています。

歓楽街の猥雑な気配と、展示されてる痛車の数々が齎す独特の存在感が合わさりもはやトリップ寸前。

自分が夢の中にいるような、妙な気分にさせられます。

 なんというか、すごい場所に来ちゃったなと。
初音ミク痛車と無料案内所が並ぶ光景は、なぜか妙にサイバーパンク感ある。

このコーナーが来年もあるかはわかりませんが、あるなら絶対ここは見といたほうがいいと思います。
なんていうか、体験してみないとちょっと言葉にしづらい空気ですし、ゲームメディアが取り上げづらい展示だと思うので・・・・・・。

 

ゲーム紹介もちょっとだけ

 せっかくなので遊んだゲームの中で気になったタイトルもいくつか紹介しておきます。

 

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 『スペースチャンネル5VRがすごく楽しかったです。
スペチャンがそのまま帰ってきた!って内容で、グラフィックも当時のスペースチャンネル5っぽい、現在基準で言えばちょっとローポリな感じのグラフィックなんですが、PSVRの低解像度とマッチしてて丁度良い感じ。
それに、うららがビックリするぐらいすぐ傍を通りすぎたり、目の前で踊り始めるので、ちょっとドキドキ。
PS Moveを使ったダンスアクションもとても面白く、個人的には注目タイトル。
難点を挙げるなら、ゲームの性質上立って遊ばざるを得ないため、PS VRヘッドセットのコネクタ部分(でいいのかな?)がかなり邪魔かもしれません。
立って遊ぶ系のタイトルはだいたい邪魔になる部分なので、PS VRの設計不備だと思うんですけどね。

余談ですが、このゲームはPlaystationブースの入り口にあり、来場者みんなから踊っている所を見られるという羞恥プレイの極みでした。
※補足しておきますが、Sonyブースと大部分のインディゲームブースは屋内地下の涼しい場所にありました。

 

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『R-TYPE FINAL2』の最速展示もありました。
残念ながら機体ビューワーのみとなってはいましたが、グラフィックはかなりの高クオリティ。
そしてなんと、ミスティーレディーⅡが参戦!
ミスティーレディー系の機体は、“基本的に下にしか攻撃が撃てない”という恐ろしく極端な機体で、プレイヤーを恐怖させた名機体です。
R-TYPE TACTICSでは一転強機体に変貌し、ネタ・実用性ともに愛される機体に。
まさか参戦するとは思ってなかったのでめちゃめちゃ嬉しいですね!

他にもクロークローやパウアーマーⅡといった個人的に好きな機体の名前もあり、テンションが上がります。

自分もクラウドファンディングで出資してるので、頼むぞグランゼーラ!という気持ちでこれからの動向を見守っていきたいと思います。

 

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熱血硬派くにおくん外伝 リバーシティガールズ』も注目してます。
キャラが良く動くので、見てるだけでわりと楽しかったです。
ただ試遊時間が短くて、使える必殺技も少なく、最初のボス戦まで辿り着くこともできずでしたので、どういうゲームになるのかは未知数。

くにおくんシリーズはプレイしたことがないのですが、製品版が出たらやってみたいと思いました。

 

《Dusk Diver 酉閃町》

写真を取り損ねたので公式サイトを貼りましたが、このタイトルは気になりました。
台湾の実在する街「西門町」を舞台としたアクションゲーム。
台湾版の『AKIBA'S TRIP』といった印象。
ビジュアルも惹きつけられるところがあり、遊んでみたい!と思わされた印象的なタイトルでした。

 

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ホラーゲーマー的には見逃せないタイトルが『夕鬼 零』

教室でスケッチブックをめくっていくことで進むホラーゲームなのですが、人気のない学校で展開するホラー展開はとても雰囲気が良く、クリーチャーの造形も生理的嫌悪感を煽る秀逸なデザインで、やってて楽しくなってしまいました。
Switch版も鋭意開発中とのことですので、リリースが楽しみなタイトルです。
ちなみにSteam版ではすでに発売済み(VR機器が必須なので注意!)

store.steampowered.com

 

ぜんため まとめ

一口で言ってしまえば、なんともゆる~~~~~い空気が漂うゲームイベントでした。

ただ、自分はこのゆるい空気に何とも言えず感動してしまった部分があります。

基本的にゲームイベントって非日常なんですよ。
屋内に派手なブースがあり、コンパニオンがいて、ずらっと試遊台が並び、日常生活から切り離されてゲームを遊び倒す・・・・・・そんな風なのがゲームイベントという認識でした。

でもぜんためは違いました。

日常の中にゲームが組み込まれている感覚と言いましょうか。
ゲームのイベントではあったんだけど、ゲームじゃなくて商店街が主役だった気さえするんですよね。

あくまで地域のお祭りに、参加させてもらった印象が強い。
縁日の金魚すくいや射的が、ゲームの試遊ブースに置き換わった感じなんですよ。
今年はちょっと大きい出し物やってるぞ、ぐらいの感覚っていうか。
だからどこか牧歌的で親しみやすい空気が全体に醸成されている。
ここが全体に漂うゆるさの根源なのかな、なんて。

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アズレンのブースはそのものズバリの射的を出展してました


特に印象的だったのは、格ゲーやったこともなさそうな子供たちが、サムスピの対戦試遊台でガチャプレイして、勝ち負けに一喜一憂してたのを見かけたんですよ。
これがなんとも言えずグッときて。

おそらくサムスピなんて知らないだろうし、コマンドも何もわかってないんだろうけど、本当に楽しそうに遊んでたんですよね。
ゲームをわざわざ遊びに来たって風でもなかったし、通りすがった地元の子っぽかったんですけど。

 最新ハードの発表とか、派手で豪華なステージとは無縁だけども、ゲームをぜんぜんわからない人が通りすがって楽しそうに遊んで帰っていくイベントって、それだけで貴いなぁって思います。

 

ゲームを持ち上げすぎもせず、ぞんざいに扱いもしない、程よい居心地の空間がぜんためには広がっていて、ゲームと生活の共存ってこういうことかな、なんて漠然と考えさせられました。

他にこういう雰囲気のイベントは無いと思いますし、そういった意味でも非常に素晴らしいイベントでした。

 来年もあるなら是非行きたいと思います。