旅情電波発信局

ホラーゲームや映画やその他諸々の好きな事を書き綴っていくブログです。たぶんゲームの話題多め。

ホラーゲーム批評:バイオハザードRE:3

 えっもうリメイク前の発売から21年も経ってんの!?マジで!?
時間の経過の方がホラーだわ……って感じのバイオハザードRE:3のレビュー。
ちなみに自分は難易度最高のINFERNOをショップアイテム無しでクリアしました。
言いたいことが山ほどあるわ……。
同梱の非対称対戦ゲーム、バイオハザードレジスタンスのレビューは別に書きます。
終盤の展開を書いてるのでネタバレに注意!

 

 

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タイトル:バイオハザードRE:3

販売  :CAPCOM
開発  :CAPCOM(開発協力 エムツー、レッドワークス)
発売日 :2020年4月3日
ハード :PS4,XboxOneSteam
価格  :税込 8,580円(パッケージ版) 7,800円(ダウンロード版)
※備考・・・マルチ対戦のバイオハザードレジスタンスと同梱発売

 

最後の脱出から21年、ラクーンシティ再び

ストーリー
洋館事件から2か月ほどが経った9月28日。
事件で受けたトラウマに苦しみつつも、事件の真相究明を進めていたジル・バレンタインの前にアンブレラ者の放った追跡者が現れる。
危ういところで必死にアパートから逃げ出したジルの眼前には、市民が次々とゾンビに変貌し、地獄と化したラクーンシティが広がっていたのだった。
追跡者から逃れて無事にジルは街から脱出することができるのだろうか。

 バイオハザードRE:3』は1999年に発売されたバイオハザード3 LAST ESCAPE』をリメイクしたサバイバルホラー
ゲーム性としては『バイオハザードRE:2』と同じTPSとなり、固定視点ラジコン操作だった旧バイオ3から大きくイメージを刷新。

バイオハザード7』『バイオハザードRE:2』と同じREエンジンを使った美麗なグラフィックが、新たなるバイオハザード3の世界を作り上げている。
 

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今回のジル・バレンタイン
モデルはSasha Zotova
STARSメンバーは毎回顔が変わるなあ
ムービーでは無類の不死身っぷりを発揮する
こいつもB.O.Wなんじゃねえの



バイオハザード3といえば、ほとんどの人が思い浮かべるもの。
それは追跡者の存在だろう。 

RE:3でも追跡者は強大な敵として登場する。
旧3でもそうだったように、ジルと追跡者との激しい戦いが本作のメインとなる。

追跡者は旧バイオでも当時のハード性能なりに多彩な能力を持っていた。
とりわけ、それまでは部屋を跨いで追ってくるモンスターはいなかった中で、エリアを超えて執拗に追ってくる様はプレイヤーに多大な衝撃と恐怖を与えたものである。

部屋を跨いでの追跡能力はRE:2のタイラントにお株を奪われた感はあるものの、その強敵っぷりは健在。
圧倒的な機動力と膂力でジルを付け狙ってくる。
タイトル画面にデカデカと抜擢されるほど、今作の看板キャラと言えるだろう。

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 RE:2で超強化されたタイラントすら凌駕する追跡者の性能には度肝を抜かれること間違いなし。
旧バイオ3のように武器を持って襲ってくる場面も当然用意されている。
今作では特に追跡者の“強さ”を強調した構成になっており、もう嫌になるぐらい追跡者に苦しめられることになるだろう。

反面で、追跡者の性能が高すぎるせいか、旧バイオ3にあったような追跡者に追い回されながら探索する場面が少なくなってしまっているのは少し残念なところ。
まあ残念と言いながら、正直今作の追跡者に追われながら探索なんて運ゲーすぎてやってられないので妥当ではある。
マジで視界外からのダッシュパンチと触手攻撃やめてくれ・・・・・・。

 

 不幸にも黒づくめの怪物に襲われてしまうジルだが、腐ってもS.T.A.R.Sメンバーのジルも負けてはいない。
ムービーでB.O.W顔負けの不死身っぷりを見せつけてくる。
壁や床を砕く追跡者のパンチや蹴りをお見舞いされてもちょっと痛がるぐらいで立ち上がったり、ロケットランチャーの爆風で吹き飛ばされても平然としてたりと、はっきりいって人間じゃない。
ゴリラのクリスといい、今回のジルといい、S.T.A.R.Sメンバーには人外しかいないんですかね……。

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ロケットランチャーを足元に喰らってもほぼノーダメージ
ムービーでの頑丈さが人外のソレで怖い
カプコンヘリより耐久力あるよな……

ムービー以外だとボコスコ死ぬが



そんなわけで、まさに龍虎相搏つといった物語が展開されるRE:3。
ゲーム的には旧バイオ3からどう変わっているのか次章から見ていこう。

アクションゲームとして再構築されたバイオ3

 旧バイオハザード3は追跡者の他にも、それまでのバイオハザードとは違う新要素をふんだんに盛り込んで発売された意欲作であった。
時間内に選択肢を選ぶライブセレクション、アイテムのランダム配置、ガンパウダーを組み合わせて弾薬の配分を自分で考えるリロードツール、SS版バイオのバトルモードや2のThe 4th Survivorを発展させたザ・マーシナリーズ(当時の表記)などなど、新しい要素を盛りに盛った作品だった。
当時はゲーム情報誌を追いつつ、ワクワクしながら予約したものである。

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バイオ2から様々な変化が加わったバイオ3
粗削りな部分もあるが非常に面白いゲームだ





正直に言うと、新要素は活かしきれているとは言い切れないものも多く、旧バイオ3自体がやや賛否の分かれる作品ではあった。
一応言っておくと、自分は旧バイオ3好きなんですけどね!ランク気にしなければ!
ランク気にするとグレネードランチャーガチャがね……。
その後、ガンパウダーやランダムアイテムはバイオ7以降に洗練されて導入されたのは感慨深い。

さて、そんな風にバイオ3ならではのゲームシステムが多数あった中で、RE:3にも受け継がれているのが“緊急回避"だ。
これは旧作では敵の攻撃に合わせてタイミングよく構えor攻撃ボタンを押すと攻撃を回避することができるシステムだった。
RE:3では敵の攻撃に合わせてステップボタンを押すと緊急回避が発動するように。
しかも緊急回避が発動中に武器を構えるとスローモーションとオートエイムが発動するようにもなり、攻防一体のアクションになった。

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敵の攻撃に合わせてタイミングよく・・・・・・







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緊急回避!
この直後に構えるとオートエイムとスローが発動する
当たり前にできるように練習しよう





旧作の緊急回避はクリアするだけなら使えなくても全く問題ない調整をされていたのだが、RE:3では中核のテクニックになっている。
特に後述する高難易度では絶対に出来ないとクリアできないようになっているので習得必須。
いやもうほんと、頭で考えないで自然に緊急回避できるようにならないと、今作の高難易度はクリアも厳しいんですよ……。
それなのにあんまりちゃんとチュートリアルで説明されないのは悪意があると思うわ。

 
緊急回避が中核のアクションになったのにあわせて、ホラーを押し出したRE:2とは違いRE:3はかなりアクションゲーム寄りの作風になっている。
全体通して弾薬も余り気味だし、ボス戦など弾薬が必要な場面ではその都度十分な弾薬が用意されている。よっぽどアイテム回収をおろそかにしない限り、弾が足りなくて詰むことはないだろう。
ボス戦以外の道中ではほとんど緊急回避のゴリ押しで突破することもでき、弾薬を使わずに突破できる個所も多く、徹底してアクション偏重なバランスに。
遊んだ手触りも旧バイオ3とは似ても似つかないものに仕上がっている。

このようにゲームプレイ的に元からもRE:2からも大きく変化したRE:3だが、ストーリーにも大規模な改修が加えられている。

旧作から遊ぶ?リメイクから遊ぶ?

旧バイオ3を遊んだことのある人は、まず大きく様変わりしたOPに驚くはず。
開幕から追跡者に襲われるムービーに度肝を抜かれたのは自分だけではないはずだ。
あと、ジルより先に追跡者に襲われてたっぽいブラッドが無事なことにもびっくりする。
その後も、旧作ファンにはニヤッとさせる小ネタを挟みつつも、まったく見たことのない展開がプレイヤーの息をつかせない。

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どっかで見たことあるオッサン
この後彼は助かったのか、DLCで明かされる日が来るかもしれない
たぶん来ない





3らしさはある程度守りつつ、大胆に解釈された新しい3の物語は、もはやまったく別物だ。
RE:2では細かいところは変えつつも大筋は旧作を踏襲したものだったが、本作では手の入ってない部分はないほど。
なんだこれ!?の連続。

登場するキャラクターはどれもみな大きなアレンジが施されている。
中でも目立つのが、旧来のシリーズでは影が薄く不遇扱いだったカルロスだ。
年齢は引き上げられ、落ち着いた人格者の兵士といったキャラ造形に変わっている。
あまりにも違いすぎて、クリア特典で貰える旧作の髪型がぜんぜん似合わないレベル。
ほんと誰だお前。でもイケメンだから許す!

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その他のキャラも全然違ってて、旧作ではちょい役ですぐ死んだタイレルが、カルロスの相棒役として活躍したり。
タイレル君インテリな上に逞しい二の腕しててちょっとカッコよすぎるんだよなあ……。脇役にしとくのは惜しいぐらい。DLCでプレイヤーキャラになったりしませんかね。

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 旧作だとどんなキャラかもよくわからないタイレル
不遇キャラを絵に描いたよう

 

 

 

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 RE:3だと仲間思いのインテリイケメン
ちょっとカッコよすぎやしませんかね

 

 

 

 

 ストーリーの流れも大きく変更が加えられている。
例えば旧バイオ3で中盤の重要な施設だった時計塔は単なるボス戦の一舞台になっていたり、逆に旧作では少しだけ出てきた変電所が序盤の山場になっていたりなど。
旧作を遊んだ人でもまったく新鮮な気持ちでプレイできる。

 反面で、旧作で登場した場所がいくつか削られてしまっていて残念に感じる部分もある。その結果、ほとんど一本道のリニアな構成に。
ゲーム自体のボリュームもやや削られており、旧バイオ3より若干短くなってしまっている。
作りこみを考えると仕方がないと納得はできるんだけども、旧バイオ3に思い入れがある人は気になるポイントだろう。

なので物語に関しては、別物と割り切って楽しむのが良いと思う。
割り切ってしまえば面白いよ!
まあ、旧バイオ3はストーリー的に粗だらけで、そのままリメイクするとツッコミどころだらけの大変なことになっていたのは想像に難くないのでしゃあない。
この辺の話は近いうちに旧バイオ3のレビュー書いて説明します。

 

もちろんクリーチャー達もリメイクで進化!
中でも一番わかりやすいのがハンターγだ。
旧作ではイマイチ影の薄い敵(一部には可愛いと好評)だったのだが、今作では異様な姿に。

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こんなの作ってるアンブレラ馬鹿じゃねえの!?
RE:2のイビーの時のように、リメイクならではの思い切った変更が楽しい。
ただ、これはRE:2でもそうだったが、登場するクリーチャーが少なくなってしまっているのはとても残念だ。
数が少ないとは言え、クリーチャーの造形自体はよく出来ているのだが……。
旧バイオ3はシリーズの中でも登場クリーチャーの数が多い作品だったので削られてしまっていて残念。
今度こそ大グモ出して欲しかったし、ブレインサッカーやグレイブディガーも見たかったなあ。

 

このように、全編にわたって大改造されたRE:3。
総じてもはや旧バイオ3とは似て非なるものへと変貌している。

オリジナルを尊重したリメイクだったRE:2に対し、RE:3は面影程度しか留めていない。
まったく方向性の違う作品に仕上がっているのだ。

旧バイオ3に思い入れのある人には拒否反応起こす人もいるんじゃないかな?ってぐらい変わっているのは注意が必要だが、程よくバイオ3らしさを残してて個人的には良いリメイクだと思う。
多少思うところはあれど、緊急回避や攻撃オブジェクト残しててくれたのは嬉しかったし!

リメイクを遊んだ後にオリジナルを遊んだり、オリジナルを遊んだ後にリメイクを遊んで両者の共通項を探すのがとても面白い。
リメイクは小ネタ的に旧作要素が散りばめられていてニヤリとできる。
旧バイオ3はゲームアーカイブスでも配信されているし、中古でも出回りが良い部類なので興味のある方は是非。
今作はRE:2以上に新旧遊び比べるのが面白いね。

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バイオハザードに即死の音ゲーは求めてないんだよなあ……

 述べてきたように今作は(賛否両論はあれども)リメイクとしては良い作品ではある。
事実、低難易度のモードでストーリーを追って楽しむ分には非常に面白いゲームだ。

だが、高難易度のモードに挑戦し始めるとこのゲームの感想は一変する。

最初から出ている難易度はASSISTED、STANDARD、HARDCOREの3つだが、HARDCOREをクリアすると更に難しい難易度NIGHTMAREINFERNOが登場する。
この2つの難易度は敵やアイテムの配置が超絶いやらしく変更され、敵の攻撃力が爆増する非常に難しいモードだ。
特にINFERNOはほとんどの攻撃が即死級の威力に引き上げられている。
ここら辺になってくると、それまで顔を覗かせるだけだった理不尽さが途端に牙を剥いてくる。

高難易度を通して理不尽だと感じるのがジルの挙動のトロさ。
敵に組み付かれた時の振りほどきや、攻撃を食らった時の怯み動作、ダウン時の起き上がりなど、いちいち動作が長くて遅い。

ダウンや起き上がり時にほとんど無敵がなく、緊急回避の終わり際にも無敵がつかないせいで、高難易度だとハメ殺される事態が頻発する。
早く起き上がれ!ってINFERNOクリアするまでに100回以上思うし何回もブチ切れた。

敵が二体いる場面で、一体目からの攻撃を緊急回避したら、その隙に二体目に攻撃を重ねられて為す術なく死ぬのは日常茶飯事。
敵が増えているNIGHTMARE以上の難易度だとこれで死ぬことが非常に多い。

ダウン時の攻撃重ねも深刻で、ボス戦で一回ダウンしたら実質即死はザラ。
しかもこれを多用してくるのが他ならぬ追跡者。

バイオ3の看板キャラなのにこの調整はもうね……。
ダウン時は起き上がりきるまでアイテム欄も開けず、ダウンした時点で打つ手がないことがほとんど。
これだったら高難易度でのダウン攻撃はいっそ全部即死にしてくれたほうが、避けようがないダウン追い打ち攻撃食らってる時間分リトライが早くなるんでマシなんですけど。
のろのろ起き上がる無様なジルを見るのがマジで苦痛。
ムービーだとあんなに不死身なのにな!
せめてダウン中でも緊急回避できたら良かったのだが……。

他にも理不尽な場面がたくさん。
まず最初の関門となる変電所のイベント。
ここは無限湧きのドレインディモス(巨大化したノミの怪物)が襲ってくる中、ブレーカーを上げていかなければいけないのだが、強烈に運ゲーである。

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みんな嫌いなDD
でも産卵攻撃は一部の性癖の人に大人気
今作はジルの残酷描写に異様な気合が入っている
ハンターγの丸呑みシーンいいよね……



ドレインディモスは飛びついてジルに卵を産み付ける攻撃を行ってくるのだが、この攻撃を受けるとグリーンハーブを使って虫下しをしないと即死してしまう。
しかしハーブを使った際の卵を吐き出すモーション中でも構わず引っ掻いて攻撃してくるので、ハーブを使わないと即死、ハーブを使っても死亡の酷い状況になることがよくある。
難易度STANDARDの時ですら運が悪かったり油断すると死にそうになる場所。
ここが毎回敵の挙動が違いすぎるせいでまったくパターン化できない。
緊急回避を使えばいいじゃんと思われそうだが、敵は常に複数で襲ってくるため、前述の攻撃重ねられたらどうしようもない問題が起きる。起きまくる!

更に元々視野角が狭いゲームだというのに、天井や壁から襲ってくるせいで攻撃されるまで相手が見えないこともザラで、事故頻発に拍車をかける。
敵の攻撃力が猛烈に上昇するINFERNOだと、祈りながらプレイするより他ない。
Sランクを狙ってセーブ回数5回以内を考えるなら大きな鬼門になる。
おそらく、このゲーム一通りクリアした人で変電所が好きな人は一人もいないんじゃないかってぐらい、ストレスに感じる場面。

今回新たに追加されたエネミー、寄生ゾンビ出現時も酷い。
各所に出没するネメシスの一部を埋め込まれたゾンビなのだが、遠距離からわかりづらいモーションで素早い触手攻撃をしてくる難敵。
近くに他の敵がいる時に触手が飛んでくると、そのままハメ殺されることもよくある。

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高難易度とタイムアタック挑戦者はみんなこいつが嫌い。
攻撃が飛んでくるタイミングによっては緊急回避できない時も多く、お祈りするしかない事もまま。
こいつにジェノサイドの巻物ぶつけたい。
高難易度だと露骨に配置数増やされてるし、もう本当に嫌になる。

 

そして極めつけが研究所の追跡者戦×二回。

研究所一回目の追跡者戦は、追跡者と一緒にゾンビとペイルヘッドが複数登場する中で戦わないといけない。
当然、ゾンビの噛みつきを避けた瞬間追跡者に叩き潰されたり、追跡者のパンチを避けたらゾンビに噛み殺されたりする回避不能コンボが頻発。

そもそもの話、リメイクバイオの狭い視野が複数戦闘向いてないせいで、周囲に気を配らないといけないこういう戦闘がめっっっっちゃストレス!!!!!!!!!
追跡者じゃなくてゾンビの方がボスじゃねえの?
こいつ山羊頭のデーモンの親戚じゃね?
ラストが実質イベント戦闘で、ちゃんとした戦闘がこれで最後にも関わらず、追跡者とタイマン張れないのも残念。
俺は追跡者と戦いたいんであってゾンビと戦いたいわけじゃないんだよなあ。

RE:2のように「狭い視野であえて死角をつくり恐怖を増進する」手法でならともかく、アクションゲーム寄りの調整したRE:3でこの視野は辛い!辛すぎる!


しかし、ここまでの不満も消し飛ばすぐらい酷いと思ったのが、NIGHTMARE以降での最後の追跡者戦。

巨大化した追跡者の攻撃を掻い潜りつつ、コアを破壊して怯んだ隙に発電機を起動してレールガンを充電すれば勝ちという戦闘。
HARDCOREまでの難易度なら大したことのない戦闘なんだけども・・・・・・。

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NIGHTMARE以降だと緊急回避を一回でもミスると実質即死。
しかもこいつの攻撃がめっちゃ速い!タイミング知らないと避けられない!
追跡者の腕叩きつけを緊急回避で避けながら戦うのだが、叩きつけはダウン攻撃。
NIGHTMAREだと一撃だけは耐えられるのだが、ダウン状態で追撃を回避することも回復もできずに実質即死して意味がないのだ。なんで????
(一応、わずかに追撃をくらわないタイミングもあるが・・・・・・)
INFERNOだと即死!でも即死のほうがリトライ早くてありがたい!

そういうわけで、ひっきりなしに高速で飛んでくる腕を、一度でも避け損なうと死ぬフルコンボ前提の音ゲーに他ならない。
太鼓の達人しようぜ!お前太鼓な!

しかもこの戦闘、最初にレールガンを起動するイベント入るせいでやり直すのがめんどくさいんだよ……。即死ゲーのくせに……。

今作の難所は全部こんな感じで

理不尽

としか言いようがない死に方をする。

高難易度では敵の機嫌が悪いとどうやっても死ぬポイントが余りにも多く、祈祷ゲーとしか思えないほど。
バーニングファイトREかこれ?腐りマンほんとひで
一部の天上人ぐらいしかこのゲームの高難易度TA安定しないと思うわ……。
終戦はあまり運は介入しないとはいえ、調整を放棄したような雑さで遊んでて真顔になる。これ本当に面白いと思って調整したのか?????

一応救済として、今作ではショップアイテムで無限ロケットランチャーや他の強力なアイテムを使ってもランクが下がらないようにはなっている。
むしろそのせいで無限ロケランやらの特典アイテム使用が前提の調整になっているように感じるが、それでも理不尽感が拭えないのが正直なところ。
遊んでて苦痛になる難易度なんだよなあ……。
自分はショップアイテム無しでやって、二度とやるかって思った。

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獲得した実績に応じてアイテムを購入できるショップ
無限ロケランをはじめ強力なものが揃う
……が、高難易度は所持前提の狂った難易度



 

まあ、わずかながら擁護しとくと、高難易度に挑戦しなければまだ楽しく遊べるんですけどね。
でもあったら挑戦してしまうのが悲しいゲーマーの性なのよね。

ところで、旧バイオ(ベロニカあたりまで)の面白さって、リソース管理の面白さだと思うんですよ。
「強敵にマグナムやグレラン使えば楽勝だけど、この先にもっと強敵が出るかもしれないから温存しておかなきゃ……」って思考こそが、不安からくる恐怖であり、ゲーム的な面白さでもある。
そして温存した武器を最後の敵にありったけぶち込むカタルシス
それまで耐えて、耐えて、耐えてきたプレイヤーが報われる瞬間が最後に来るからバイオハザードは面白かったと思うわけ。

でも今作の最終戦一番ラスボスに有効な武器がハンドガンっていうね……。
ハンドガンの弾も最終戦の場所に落ちてるから、弾の心配もほぼしなくていい。
更に高難易度だと回復アイテムも実質即死で使うところが無いから、最後の追跡者戦に溜めこんできたアイテムのほとんどが腐るっていう……。
一応、初代のタイラント戦もロケットランチャー投下されるまで逃げてればいいっていうのはあったけど、救済策としての側面があったじゃない。
でもRE:3は最終戦でアイテムの溜めこみが無意味になるんですよね。
リソースのやりくりを最後に否定されるのは、バイオハザード3のリメイクとしてちょっと違うんじゃないかなあ。

ついでにゲームバランスの面の不満も述べておくと、前述したように今作は普通に遊ぶと弾薬が駄々余りになる。

最高難易度でも余裕があるぐらい余る。
アクションゲームとしては遊びやすいもののサバイバルホラーとしての魅力は大きく薄れたように思う。
バイオ4のリメイクならともかく、バイオ3のリメイクなら残弾管理しながら遊びたかった。
まあこれは旧作ファンの懐古趣味かもしれんけど。


あと最後に一つ個人的に残念な点を付け加えると、追跡者が中盤から人型じゃなくなるの本当に残念。
オリジナルの追跡者第二形態好きだったのになあ。

総括

ゆるく遊ぶなら良リメイク。
やりこむなら難点が多い。

リメイクの方向性はRE:2とは異なっているものの、クオリティ自体は高いし、旧3とは別物と割り切って遊べば新鮮な楽しさがある。
ASSISTED~HARDCOREぐらいまでの難易度で軽く遊ぶのならすごく面白いゲームだ。

だが、NIGHTMAREとINFERNOで遊ぶとストレスで苦痛になってくる。
ラストの追跡者2戦がマシな調整されていればまだ面白く遊べたのだが……。

本編のボリュームは少し物足りないが、繰り返し遊ぶ人や、同梱のバイオハザードレジスタンスが楽しめる人なら問題ないかと思う。

フルプライスのわりに本編の薄さが気になる人もいるかもしれないが、自分はなんだかんだでINFERNOクリアしたりHARDCORE Sランクとったりしてるうちに40時間ぐらい遊んでいたので十二分に楽しんだ。
・・・・・・楽しんだ?NIGHTMARE以降は苦しみしかなかったような気もするが・・・・・・。
 ま、まあバイオハザードレジスタンスは面白く遊べてるし!

これからRE:3を遊ぶ人は、ゲームでストレス溜めても仕方がないので、個人で楽しいと思える範囲で無理なく遊ぶのを推奨します!
ショップアイテムを使うことに抵抗がない人はS.T.A.R.S式体術教本ぐらいは買っといたほうがいいぞ!マジで!
もし次回作でベロニカかバイオ4のリメイクがあったら、あんまりストレスの溜まらないバランスでお願いします・・・・・・。

関連作品

ゲーム
 ・バイオハザード
    ・・・・・・元になった作品。バイオ2から様々な新要素が入った作品。
       賛否はあるがゲーム的に完成度が高い作品で、今遊んでも面白い。
       シナリオのツッコミどころもバイオ史上トップクラスで笑える側面も。

 

BIOHAZARD RE:3 Z Version 【CEROレーティング「Z」】

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  • 発売日: 2020/04/03
  • メディア: Video Game
 
バイオハザード3 ラストエスケープ

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  • 発売日: 1999/09/22
  • メディア: Video Game