旅情電波発信局

ホラーゲームや映画やその他諸々の好きな事を書き綴っていくブログです。たぶんゲームの話題多め。

貞子vs伽椰子の考察 ※ネタバレ全開注意

今日、ニコニコ生放送で『貞子vs伽椰子』の放送やってて久しぶりに観たんですが、やっぱり面白い映画だと再認識しまして。

ch.nicovideo.jp

この映画は公開直後に急いで観に行ったぐらい期待してて、なおかつその期待を裏切らなかったぐらい好きな映画なんですよね。

そんなわけで、久々に観たついでに自分なりの考察を書いてみようかなと。

あくまで“自分なりの考察”なんで、見当違いかもしれませんし、そこんところ悪しからずお願いします。

 

あ、あと本編見てないとわからないと思うので先に映画観てから読んでね。

容赦なくネタバレしてます。

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開幕からネタバレ全開でいきますが、

この映画のラストでは貞子と伽椰子が融合して最恐のバケモンが誕生してしまいます。

なんて呼べばいいんだろう。さやこ?かだこ?

 

「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」

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ぶつけた結果がこれだよ!

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完全にフュージョン

 

で、ここの部分、単に「貞子と伽椰子の合体」「経蔵と珠緒の作戦失敗」と捉えられることが多いんですが、自分はそれは微妙に違うと思ってます。

 

 

理由を説明する前に、まずこの映画の監督である白石晃士監督について軽く触れますと、白石監督って非常にロジカルな展開を好む作風なんですよね。

 

例えばニコニコでは大人気の作品「コワすぎ!」シリーズでも顕著ですが、作中の描写は明確に伏線として張られ、しっかり回収される展開が多いです。

基本的に演出や台詞に無駄がないのが白石監督の持ち味だと思ってまして、作中の描写にはしっかり意味があるという信頼があります。

 

で本題に戻りますと、有里が貞子と伽椰子を封印する生贄になるために井戸に飛び込んだ場面。

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この場面は明らかに山村貞子が井戸に落されて今の“貞子”が生まれるきっかけになったシーンを意識しています。

『リング0 バースデイ』の仲間由紀恵ですね。

 

これはつまり、有里がいわば第二の貞子として目覚めてしまったという描写なのでは?

 

更に有里の最後のシーンで、有里の目から一筋の涙が零れますが、この涙の意味はなんでしょう。

“単に恐怖の為に涙を流した”と捉えてもいいかもしれませんが、自分の中で引っかかるのはこのシーン。

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「わたしどうしてこんな目に遭うんだろうって思ってさ。有里も思わない?もうみんな死んじゃえばいいのにって」

 

友人の夏美が死の恐怖からヤケを起こして呪いのビデオを動画にアップしてしまうシーンで言ったこの台詞。
有里はこれに対して明確に否定はしません。経蔵が助けてくれるから・・・と答えます。
では頼みの綱の経蔵が自分を助けられないとわかってしまったら?

 

これらを踏まえると、井戸の底での涙は
自分が生贄になるしかない絶望的な状況を前にして、最期の最期に「どうしてこんな目に遭うんだろう」と思って出た涙に思えるんですよね。

有里は身を犠牲にする覚悟をもって井戸に飛び込んだものの、土壇場で世を恨んでしまうというのはありえない話じゃないと思います。

鈴花との会話でも無理をして恐怖を我慢している描写がありましたが、気丈に見えても普通の女子大生にすぎないという面を強調するための演出でしょう。
普通の女子大生なら、なおさら自分の死を嘆くのは自然ですね。

 

 そして映画では尺の関係でハッキリ語られる事はありませんが、貞子も伽椰子も不幸な境遇の末に「(条件を満たした人間なら)無差別に人を殺す怨霊」と化したものです。

「もうみんな死んじゃえばいいのに」が極まった末に生まれた化け物、それが貞子と伽椰子というわけですね。

 「どうしてこんな目に遭うんだろう」と思ってしまった有里も同じように「もうみんな死んじゃえばいいのに」と最期に考えてしまったのではないでしょうか。

 

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 結果的にこの二大怪物と共通項を持ってしまった有里。

 つまり、ラストで生まれる怪物は「貞子+伽椰子」ではなく、

「貞子+伽椰子+有里(第二の貞子)」の三身合体なんです。

 

そう考えると

 経蔵と珠緒の最後の策、「一人の身体に貞伽椰を憑りつかせて封印」が失敗したのは、経蔵の力量不足じゃなく、貞子と伽椰子二人分の力しか想定してなかった計算違いだと考えるとより納得いきませんか?

 まあ貞子伽椰子の力を見誤ってた節もありますし、普通に封印してても駄目だった可能性もありますけど。

 

自分の中ではこの説がしっくりきていて、映画公開時からこのように解釈しているのですが、皆さんはどう思われますでしょうか。自分なりの解釈や考察があるという方は、コメントにでもじゃんじゃん書いてくれると嬉しいですね。
映画に関する人の意見や感想を読むのは非常に楽しいので。

というわけで『貞子vs伽椰子』のラストの考察でした。

 

普通にホラー映画として観ても面白いし、怪獣映画として観ても、はたまた白石監督作品として観ても面白い、名作ホラー映画ですね『貞子vs伽椰子』。

 

もしさだかやで白石監督作品に興味持たれた方は、『ノロイ』とかオススメですよ。
白石作品のエッセンスが凝縮されてるし、一作で完結してるので大変見やすいです。
あと、今年もニコ生でコワすぎ!の上映が行われるようなのでそちらもオススメです。
特にコワすぎ!はニコニコとの相性がいいので、これだけでもニコニコプレミアムの価値があるかも。 

 

個人的には『カルト』の続きがいつか観たいんですけどね! NEO様再登場はよ。

 

ではでは今回はこの辺で。

シャナナナナナナ シャナナナナナナ シャナナナナナナ wow wow wow wow・・・・・・♪

 

貞子vs伽椰子

貞子vs伽椰子

 
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