旅情電波発信局

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レイジングループ完全読本感想!レイジングループファン必携の一冊!


『レイジングループ完全読本』を読み終えたので感想!

レイジングループ完全読本 - 株式会社ホビージャパン

 

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レイジングループはケムコから発売された傑作ADVで、本書はその公式解説本。

内容はキャラクター解説、ストーリー解説、設定資料集、関係者インタビュー、レイジングループ以外のケムコADVレビュー、そして短編小説2編が掲載されている超豪華な本だ。

 

 

 

 

まずページをパラパラめくって思う事が、ページが黒い!
どこの頁を見ても文字がぎっしり&みっちり。辞書か!ってツッコミ入れるレベル。
これ以上ない密度で情報の奔流が襲い掛かる!

中身ぎっちりで絶対値段間違ってると思うぞ!

当然ながら容赦ないネタバレの嵐なので未クリアの人は読んじゃ駄目だけど、未クリアの人がこの本を買うわけないよね。

 

 

解説はまさに微に入り細を穿つ内容で、プレイ者が理解で躓きやすいと言われるあの箇所やその箇所にもきっちりとフォローが入っている。
文章だけだと想像がしにくい藤良村の位置関係も図示されており、暴露モードプレイ時は手元において読むといいかも。

一時期、レイジングループの考察記事を書こうかと思ってた事があったんだけど、この本があったらもうそんなんまったく必要ないわ!ていう完璧な内容。

とりあえずレイジングループクリアしてまだわかんない箇所があったら「この本買って読め!」の一言で片づけられる。

「しんないもうで」を始めとする劇中歌の歌詞もバッチリ掲載。
もちろん仏舎利ロックの歌詞も載ってる。仏舎利ロックガチ勢は買わざるを得ない。

 

 

資料集には作中CGのラフも掲載されていて、その上すごいのがシナリオのamphibian氏によるラフ原案まで収録されている点。
おかげで掲載枚数がとんでもない事になっていて、しかもそのどれもにキャプションがみっちりついているという凄まじさ。

amphibian氏のラフに書いてある指示は「どんな点を重要だと考えているか」の理解に大いに役立つので非常に興味深い。

むしろこういうゲームのCGって、ライター側でここまで細かく指示を出す物だと思ってなかったのでとても新鮮だった。

特にコンビニ店員のラフ原案に「爆乳」って書かれてるのが良いですね!
巨乳じゃなくて、爆乳! 大事な事です。

 

そして本書の見どころの短編小説2編。

一つが『SFが読みたい!2018年版』で見事国内4位に輝いた異色のゲームレビューSF『The video game with no name』の作者、赤野工作氏による『能里先々代の記録』。

 

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム

 

 

過去に行われた「黄泉忌みの宴」を記録から読み解く内容となっており、単なる出来事の羅列や本編の補完的な内容になりそうなテーマをきっちりと物語として読ませる内容に仕立て上げているのは見事の一言。
赤野工作氏は方々のインタビューで「自分はゲームレビューという形でしか文章を書けない」旨の発言をしておられるのですが、完全に嘘なのでこれはくくならなければならないと思いますね。
でも今くくってしまうとVGNNが未完になってしまうので困る。

 

もう一つがamphibian氏による『からす洋館の殺人』。

こちらは完全に別配役の新たな「黄泉忌みの宴」が描かれる新たなループの物語。

本編クリアした人には「なんで配役が異なるループなんかが起きるわけ?」なんて疑問を持つ人もいると思うけど、そこのところからして「そうくるかー!」って感じで面白い。確実に読んで損はないと言い切れる内容。

いや、レイジングループ好きなら読め!

感想としてはやっぱり陽明さんは陽明さんだった!とだけ。

あと、残念ながら多恵ばあルートではないです。多恵ばあファンの人には残念ですが!

 

しかし、実は本書を短編小説を最初の方に読んだんですが「なるほど、計算された配役だ!」とひとしきり感服したあとでインタビュー部分を読むと、まさか配役がランダムに決まったものだとは・・・・・・。予想外すぎて腰が抜けた。
くじ引きで配役が決まったとは思えないほど展開が綺麗にハマりすぎてて、腑に落ちることが逆に腑に落ちないくらい。
やはりレイジングループという作品には舌を巻くなあと改めて思った次第。

 

 

短編小説を除いて見ても、レイジングループ完全読本は作り手が本当にレイジングループを大事にしていることが存分に伝わってくる素晴らしい本。

ゲームMOOK系って色々とあるけど、この本の執筆陣のレイジングループへの情熱は本物なんだと思わされる。それぐらいの熱量が籠った熱い一冊!

 

 

これから先レイジングループ関連書籍が出るとしても、おそらくこれ以上の書籍はちょっと考えられないぐらいに充実した本なので、レイジングループを遊んで気に入った人は是非とも手に取ってみて欲しい。

 

 

唯一この本に不満があるとすれば、ライター座談会の中に巻島春ちゃん派がいないことですよ!!!! かみさま派がいても春ちゃん派がいないのちょっと問題ですよ!!!!
春ちゃんがかわいいってことをもっと伝えるべきだと思います!!!!!